日本100名城(80)
湯築城(ゆづきじょう)は、愛媛県松山市道後町にある城跡。中世の城郭で、近世の城郭が持つ石垣や天守が無く、地形を利用して作られた梯郭式平山城です。築城当初の14世紀前半は、中央の丘陵部を利用した山城でしたが、約200年後の16世紀前半には周囲に外堀を築き、二重の堀と二重の土塁を巡らせた平山城になったと推定されます。江戸時代に描かれた絵図から、東側が大手(表)、西側が搦手(裏)と考えられています。
城郭の堀や土塁などの縄張り遺構が良好に残り、城郭発達史からみても基調で稀な中世の城跡であること、また中世の主要な守護大名の拠点城郭であることに加え、時代や地域を代表する特色を持つことから地域の伝統技法や工法を使った復元などが評価され、平成14年に国史跡となり、その後日本100名城、日本の歴史公園100選にも選定されています。